ルパン三世「血の刻印」は、「第1作」になった

今回のルパンは銭形、不二子、五右衛門がキャスト交代という、あるいみ節目の作品だった。そして映像としても節目であったと考える。
旧ルパンのOPサーチライトや、なんといってもラストの「呪いを盗んで行った」のくだりを考えるに、これはどこをどうやってもこれまでのルパンからのオマージュだ。そして作品のプロットとして不老不死を出してきた。これは映画第1作のマモーを思い出さずにはいられない。
マモーは監督が鈴木清順で、マモーを演じたのは西村晃と、次作のカリ城から比すると俗にいう「大人のルパン」の雰囲気を残していた。今回は佐藤好春というジブリっぽい(日アニっぽいというかまあ要するに名劇ですな)キャラデザインでこの「大人のルパン」に挑んだ。そしてそれはおおむね成功したと思う。
この「大人」っぽさは、実は声優陣の演技にも現われていて、山寺宏一浪川大輔沢城みゆき、そしてメインゲストに石田彰という、"こっち"にはおなじみのキャストだったにもかかわらず、"こっち"には阿らない、「大人のルパン」な演技をしてくれていた。
これまでのルパンをすべてふまえ、新たなルパンが始まった。いや、新たなルパンではない。ルパンそのものが始まった。これは見て損しないぜ。いやマジ見とけ。